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いつも思うのですが、どうしてこう天候というのはこちらの思うようにいかないのでしょうね。
7月までは毎日ずっと絶え間なく雨が降り続き、日照不足と畑の水没による被害が甚大だったのですが、
梅雨明け以降は夕立も含めて一滴も雨が降っておらず、今度は渇水の危機が見えてきました。
一年を通して、もっとバランスよく降ってくれたらいいんですけど。



N. sibuyanensis NE-109 red pitcher / Malesiana Tropicals

レッドピッチャーの名前に負けない見事なまでに真っ赤な袋。
このクローンは丈夫ではあるのですが、環境の変化には滅法弱く、
輸入後の順化作業がものすごく大変だったことを覚えています。

MTから直接買い付ければ、たしかに安くはあるのですが、
このクローンの順化中の、今にも溶けそうな様子は精神衛生上よろしくないので、
多少割高になっても、国内ナーセリーで順化済みのものを導入した方が安心です。
いくら安く買い付けても、順化失敗で枯らしてしまっては元も子もないですし。

ちなみに一度順化さえしてしまえば、あとは丈夫です。
まだ蓋が開いておらず完成していませんが、
しっかり用土に接地して、どっかり座ったいい形の袋になりそうです。



N.sibuyanensis BE-3164 / Borneo Exotics

BE産の個体。
こちらも輸入個体ではありますが、MTの個体とは対照的に、
特に問題も愚図つく様子もなく、すんなりと順化しました。
輸入で到着する苗が、みんなこんなだったらいいのに……。
特にAWとか、値段の割にとんでもない苗が届きますからね……もちろん悪い意味で。

ただ、逆にAWの苗は、なんかもう見た目からヤバいので過保護気味に管理するので、
意外にも活着率はそこまで悪くもないような気がします。
どんな個体が届くかと言えば、控えめに言ってモヤシです。
……とは言っても、AWから届く本当にやばい個体群にはノータッチなのですけれど。

AWの本当にやばい個体群とは、エド、マクロ、ヴィロサ辺りの、
牙系御三家に加えて各種産地ごとのローイ等の人気種です。
あの辺はLS1センチ以下の真っ白な苗が届くらしいので……。
世界中からの需要に応えるために、フラスコ苗にホルモン剤を用いることで、
半ば強引に増殖させてるとのこと、本職の植物学者だからこそ出来る荒業なのでしょう。
実際に届いた苗の画像を見たことがありますけれど、あれ本当に育つんですか……?

盛大に脱線しましたけれど、見た目普通っぽいのに、
順化がやたら難しいMTの個体は要注意ですよってお話です。

それに引き換えBEの個体は素直なのですけれど、
複数のクローンの中からランダムに発送しているので、
どんな個体が来るかは、届いてみるまでわかりません。

いざとなったら、やっぱり大規模に輸入を手掛けている国内ナーセリーで順化された中から、
好きな個体を選ぶ……という形になるのかもしれません。
ガチャ要素を楽しめるようなら、どんな子が届くかわからない闇鍋状態も楽しそうですけれど。
一番ガチャ要素が強いのは、やっぱりEPでしょうねー。
あそこの交配種は、クローンじゃなくて実生苗が殆どなので……。



N.sibuyanensis AW / Wistuba

本種は袋を陰に隠すように着けるので、画像に起こし辛いのですが、
隠そうとした結果、最前列に来るという皮肉な状況。
ただ、自分の鉢の用土の上に着けてくれたらいいのですが、
栽培棚の上に直接着けられると、動かしにくいのですよねー……。
ちょうどこれから、晩夏から秋にかけて台風シーズンに入ってきますし……。

接地した状態だと、いい形の袋になるので、
本種はなるべく大平鉢で育てていきたいところです。

ちなみにEP産の個体は、今期は全然ダメです。
あの子は同じシブヤンとは思えないくらいに繊細な子ですねー……。

気付けばもう8月。
この調子だと、今年が終わってしまうのも、きっとすぐ先のことなのでしょう。
季節は夏真っ盛りですが、夏至から2ヵ月余り経ち、日の出の時刻も少しずつ遅れてきました。
ここ数日、片付けの際に古い釣竿を見つけたので朝マズメの時間だけ挑戦してるのですが、
8月ともなると、4時だとまだ暗いですね……。

一応はバス狙いなのですが、変な魚ばっかり釣れるので、こっちも記事にしたら楽しいかも……?



N. aristolochioides x ventricosa sib-cross
気付けばアリストリコーサの種が熟していたので採取しました。
……というか、先端の方は蒴果が少し割れてしまっています。
観察眼が足りないと見えます。

ネペンテスの種子採取は初めてなので、未熟で採っちゃうよりは完熟の方がいいかなって。
無菌播種する予定もないので、割れててもそんなに困らないですし。



出してみました。
見覚えのある形状、たしかにネペンテスの種子ですねー。
ただ、かなり小粒の種類みたいです、全然フォーカスが合いません……。

見た目は大丈夫ですけど、やっぱり初めてなので、ちゃんと発芽能力があるのかは疑問です。
さっき採取したものなので種子の鮮度としては、これ以上のものはないと思いますけど。



播種してみました。
……あれ、これ蒔いた後でしたっけ?
それとも苗床を用意しただけ?
……まあ、どっちでもいいです。
画像は鹿沼土細粒、もう一つミズゴケの苗床も用意しました。
種子が重ならないように均一にばら蒔きにする……とありますが、
正直どこに蒔いたかなんて全然見えないので適当です。
芽が出たら、そのうちわかるでしょう。
……出ればですけど。

鉢は以前にエドワードシアナを播種した際にも用いたプラスチックのざるです。
え、初耳だって?
そりゃそうです、今初めて書きましたから。
発芽しなければ、そのまま日の目も見ることなくお蔵入りの企画でしたしねー。
そのエドの種子は今どうなてるかって?


……聞くなよ。


今回のアリストリコーサは種子採取まではこぎつけたということで記事にしましたけれど、
続報がなかった場合、その際はお察しください!
思った以上にたくさんあったので視聴者プレゼントにしようかとも思ったのですが、
そもそも発芽能力があるのかどうかも不明ですし、今回は実生栽培の練習に使うことにしました。
花はまた咲くでしょうし、今回の播種が上手くいけば、次は頒布するかもしれませんね。

梅雨明けも近付き、蝉時雨も喧しくなってきた今日この頃。
庭に転がる空蝉も目立つようになってきました。
最近の自分を顧みても、まさに抜け殻、空蝉。
古語からの訛りが転じたものとは言いますが、なかなかに皮肉の効いた言葉です。



N. lowii Trusmadi seedgrown / Carnivorous and more

今年は冷夏だった影響もあってか、高地性種が好調です。
この子は導入当初は葉がたくさんあったのですが、なんだかんだで4枚に落ち着きました。
後述するムル産の個体も葉数は4枚で落ち着いているので、うちの環境だとこうなるようです。
もっと環境を改善すれば、葉数も増えるのかもしれませんけれど。
最新の葉の袋はまだ完成してませんけれど、今ある葉は全部袋を着けているので、
調子自体はそう悪くないと思います。



袋。
全然大きくはありませんし、成長もものすごく遅いです。
小さくはありますが、プラスチックのように固い質感に襟のストライプ模様と、
ローウィの下位袋の特徴は出ています。
本当は10センチくらいの袋を着けてくれたら、もっと観察しやすいんですけど。



N. lowii mulu / Y's Exotics

こちらはムル産の個体の袋。
葉の形は全然違うのですが、袋は似た感じ。
強いて言うならムル産の方が赤みが強く、シュッとして引き締まった印象です。
ムル産の個体は上位袋も赤く色づくらしいのですが、癖が強くて栽培が大変とのこと。
うちでそんな袋が見られるのは、いつになることやら。
枯れてしまったら永久に見られない、という皮肉は置いておいて。
やっぱり葉数4枚だと光合成工場としての役割は不足しそうですし、
何より見ていて精神衛生上よくもないので、もう少し増やしてほしいところです。

ずっと雨続きで湿度も高いので、スマホカメラだとどうしても画面がガスってしまいます。
ただ、それも悪いことばかりでもなく、今年は多雨で涼しかった影響もあったのか、
去年の酷暑で全滅した、用土表面の苔が復活してきました。
これって深部は生きていたのか、それとも胞子が残っていたのか、
あるいは環境が改善したことで、新規にまた生えてきたのか。

また絨毯のように鉢いっぱいに広がるには、まだまだ時間が掛かりそうではありますが、
すごく綺麗でお気に入りだったので、元に戻ってくれたら嬉しいです。

でも、こうしてみると、綺麗な苔が自然に生えてくるような環境が高地性種には最適という仮説は、
結構信憑性があるんじゃないかなって思います。
去年の酷暑で全滅したときは、高地性種も散々でしたし。
完全に私の主観であって、仮説と呼ぶのも烏滸がましくはありますけれど。

今期はラジャが絶好調なので、そちらについても記事にしていきたいです。
先日登場したばかりな気もしますが、前期ブログでの話なのでノーカンです。

ここ数日、頭痛や倦怠感等々、完全に夏バテモードです。
気温としては30度そこそこ、去年の今頃に比べたら10度以上も低くはあるのですが、
今までずっと20度前半くらいの涼しさが続いていたところに急に暑くなったことに加えて、
湿度が100%あるので体感温度は実測値以上に高いことも原因だと思われます。

なのでクーラーをつけたところ、ポタポタと水が飛んできます。
以前クーラーが壊れたときにも水が出てたので嫌な予感がしつつも、
去年買ったばっかりなのに……と思いつつ点検してみたところ、
どうやら湿度が高すぎるせいでルーバーが結露していただけのようです。

今回は大丈夫でしたが、エアコンの排水機構自体がいかれて漏水している場合、
放置すると再起不能なレベルで完全に壊れるので気をつけましょう。



N. reinwardtiana BE-3671 / Borneo Exotics
BE産のレインワルドティアナ。
草体も袋も大きくなりました。
特長が無いのが特徴みたいな、丈夫なだけが取り柄みたいな原種です。
袋の内部に一対の目玉模様(蜜腺)があることだけが唯一の特徴ですが、
見えにくい場所にある上に、普通に観賞する分にはそんなところまず見ないので大丈夫(?)です。

5号鉢でも手狭になってきたので、そろそろ鉢増しかなー。
ただ、焼き物の大鉢って扱いが大変なので、試験的にプラ鉢に大量の穴を開けてみようかと思います。
アリストリコーサの鉢とか、動かす度に辛いんですよ……。



なんとも言いようのない、特徴のない袋。
色としては茶色と紫の中間くらい、シヴイ色です。
派手な発色や模様、襟のストライプ等も何もなく、
形もステレオタイプのネペンテス……といった感じです。

丈夫なだけが取り柄と言いましたが、色も形もよく似た交配種で、
さらに丈夫なレベッカ・ソパーがホムセンネペンとして一般にも流通してますし、
なんていうか本種は、高地性種とはまた違ったベクトルのマニア向け品種な気がします……。
交配種も含めれば星の数ほどあるネペンテスの中で、なんでそれ選んだの……的な。

うちでは2号ポットの極小苗から成長を見てきたので、
なんだかんだで愛着はあるんですけどねー。



頂芽ぁぁあ゛あ゛あアア゛ああ゛アアア゛アああアア゛ああアア゛ア゛アァァ!!!

汚い悲鳴を晒したところで、やられました……ハマキムシです。
巻いてる中に隠れてるので、さくっと捕殺します。
どうしてこんなになるまで放っておいたんだって感じですけど、
ここ最近ずっと雨続きで、野外管理してるので潅水の必要がなかったので……てへぺろ!

こんなことがある度に言ってる気がしますけど、
余計な手は掛けずとも、常に目だけは掛けてやってないと、こういう不具合を見逃しますし、
雨が降ってて潅水の必要はなくとも、毎日の観察だけは必須ですよ!

………
……


海水水槽を始めるに当たって、そろそろ機材の準備も進めていきたいところなのですが、
プロテインスキマーにフルスペクトラムLED、水槽用クーラーに磁界共鳴方式ポンプ等々、
超高額機材が多くて一気に揃えるのは難しいです……。

なのでレイアウト用のデッドロックの準備から進めています。
本来なら立ち上げてからライブロックを導入するべきなのかもしれませんが、
形にしたいイメージがあるので、デッドロックである程度の形を作ってから、
少量のライブロックを種として導入する予定でいます。

……問題としては、デッドロックってそもそも売ってないんですよ。
近隣の実店舗販売型の海水魚専門店が軒並み倒産してしまったこともあるのですが、
実はちゃんとしたお店ほど、デッドロックは売り物として置いていないのです。

これには明確な理由があるのですけれど、この辺を明確に書いてしまうと、
アクア業界のヒットマンに狙われることになるので……。
キュアリング水槽を備えたような店舗なら、デッドロックもそこに一緒に沈めておくだけで、
深場系ライブロックとしてデッドロック(珊瑚岩)の数倍~数十倍のグラム単価で売れる訳で……。

……おや、こんな時間に誰か来たようです。
今年の梅雨はいつになく猛威を振るってますね……。
毎年梅雨とは名ばかりの空梅雨でしたが、今期はちょっと降りすぎです。
東京では20日間連続日照ゼロという記録が出てるみたいです。
一昨年の晩夏から秋にかけての、三ヶ月降り続いた雨を思い出しますね……。

7月に入ってから、まだ一度も30度超えてないという記録的な冷夏になりそうで、
既に農作物にも甚大な被害が出始めています。
梅雨が明けたらそれはそれで、また暑くなりそうな気もしますけれど……。



N. truncata "Stripe peristme"
兵庫フラワーセンターにある世界一のトランカータと比べてしまうと、
半分にも満たない大きさではあるのですが、それでも普通の人から見れば怪物みたいなサイズです。
最近見るトランカータは襟が赤一色に染まる個体が多いですが、これは見事な縞模様ですねー。

一歩引いて株全体を写してみると、一鉢一鉢の間隔がとても広く、
伸び伸びと育てられるような環境が整えられています。

うちみたいに鉢を詰めて置くと、葉や蔓が絡まったり、
鉢間の風通しが悪くなったりと、いいことありません。
でも、こんな風にスペースを贅沢に使える環境は羨ましいですね……。



N. maxima
マキシマ系譜の原種。
ミクスタ、ミランダ辺りの交配種はラベルが無いと全く区別がつきません。
さらには近縁種も非常に多いグループなので、素人目にはわけわかめです。

ネペンテスという植物が発見された当初は最大種とされていましたが、
ラジャやトランカータ、アッテンボロギ等々、今では完全に名前負けしてしまっています。

近くにはミランダの鉢もありましたが、本当にそっくりです。
ミランダはうちでも育てているので馴染み深いですね。



N. fusca
上記のマキシマの近縁種。
さらに、うちの栽培記録でちょいちょい登場するボゲリーとは、
近年まで同一種とされていたくらいに近しい仲間です。
確かに袋の模様や形といった雰囲気は、とてもよく似ています。

マキシマ近縁種には、プラティカイラやクロッシーといった変わり種も居たりするので、
本当に面白くて興味深い個体群です。



N. rafflesiana
普段見慣れたラフレシアナとは大きく異なる形態をしています。
蔓をとても長く伸ばし、上位袋を着けています。
上位袋と下位袋で大きく異なる形状の袋を着ける種類は多いですが、
本種もなかなか原型が無いですね……。
ラベルがなかったら、たぶん分からなかったと思います。

………
……


次回からはまた通常運転で、うちの子について書いていけたらと思います。
ただ、ネペンテス関連以外でも結構いろいろなことがあったりしたので、何から書いていこうかと……。

海水水槽の準備が全然進まなかったり、ヒモゲドがぷち拒食もどきをしてみたり、
コロ虹の餌がついにラットに格上げしたり、奇蟲も順調に大きくなっていたり……。

ブログ移転に伴ってカテゴリも細分化したので、気ままにのんびり更新していってみましょう。

プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

毎週水曜日、日曜日の二回更新されます。
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