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以前の台風では特に被害はなかったのですが、
今回そんなに近場を通過した訳でもないのに風は存外に強く、
遮光ネットの倒壊に巻き込まれ、一部の個体に被害が出てしまいました。
花芽の上がってきたトリカブトも何株かねじ切れましたし……。
やっぱり予報に無いような想定外の突風が一番怖いですねー。

もういっそ、どんな風でも壊れないように単管を組んでしまうのもいいかもですね。
ネット部分も簡単に畳めるようにして。
……それよりも、季節はそろそろ10月。
低地性種は屋内に取り込む時期ですが、冬場の水遣りをもっと簡単にする計画をしたかったのですが、
なんの構想も無いままタイムリミットを迎えようとしています。



N. burbidgeae x edwardsiana / Malesiana Tropicals

疲れてるときなんかに、ビーバビとごっちゃになるバーエド。
自然交雑種ではありますが栽培には妙な癖があり、枯れないまでも大きくなりません。
袋も最盛期にいくつかぽつぽつ着ける程度なのですが、今年はなんだか調子がいいです。
ただ、調子がいいのは去年植え替えた子だけなので、古い用土はそろそろ限界なのかもですね。
見た目にも汚くなってきてますし。
そういえば古い子は、初年に輸入した個体を植え付けて、そのままだったような……。
無機用土でも劣化してくる訳です。
そろそろ10月ですし、本格的に肌寒くなる前に植え替えてしまいましょう。



こちらは挿し木に着いた袋。
去年植え替えた際に、いい加減邪魔になってきたという理由でぶった切った主茎の成れの果て。
ペットボトルで水挿しにしていたところ、発根してきたので鹿沼土単用で鉢上げしました。
袋も着くようになって一安心……と思ったところで、
成長点をアザミウマに潰されるところまでがお約束です。
頂芽はぐちゃぐちゃになりましたが、一応動いてはいるみたいなので、
来年の成長期には綺麗になっていることを願いましょう。



N. veitchii x burbidgeae / Exotica Plants

あれからまだ植え替えてないのですが、鉢を動かすと草体があまりにも重すぎて、
主茎の根元がぐわんぐわんと揺れるので、早いところなんとかしないとです。
申し訳程度に主茎を支えていた支柱はねじ切れました。
竹串で作った姑息的なものだったからなー……。

ぐらぐらした部分を見てみたところ、脇芽が出てました。
これでやっと主茎を落とせる……とも思いましたけど、
せっかくここまで大きくなったのだから、このまま育てたい気も。
現状結構いい袋を着けてくれてますしねー。

ビーチやバービッジアエなんかの品種は確実に脇芽が育ってからじゃないと、
脇芽が出るまでに元株が力尽きる可能性が非常に高いので要注意です。
挿し木も失敗したりすると、目も当てられません。

主茎を切れば、本種も増殖できそうな気がしますが、
クローンで形質を100%引き継いで殖やせるなら、せっかくなら厳選された極美個体がいいですよね。
もっとも、そんな子ばかりを集めようとすれば、下品な話いくらお金があっても足りないのですが。

これも経費で落ちないでしょうか。
『左沢さんクルミやるなら持ってきますよ』とのことで、あの後に生の胡桃をたくさんいただきました。

……60リットル袋×3くらい。

クルミ屋でも始めろってんですか。



バイブレーションプラグ

先日登場したクランクとは同じシリーズだったような、違うような。
ブルブルと振動しながら泳ぐところは同じなのですが、
クランクベイトは静止時は浮上し、進むと潜るため、目的の深度に達するのに助走が必要なのですが、
バイブは静止時に沈降し、一定の深度で進むため、狙った場所をピンポイントに攻めることができます。

こう書くとクランクベイトが要らない子に見えますが、
ルアーが現在どの深度を泳いでいるかを感覚だけで正確に把握する必要があり、
さらに泳ぎ方から根掛かりしやすいため、クランクに比べると少し扱い辛いです。
低速域でもきちんと泳ぐマイクロクランクに比べると、
バイブはある程度の速さで引かないと意図した挙動にならないので、
活性が低いと追い掛けてきてくれなかったりしますしね。
海だとよく釣れるイメージがあるのですが……。

マス釣り仕様のシングルフック、今回はこの子を連れていってみましょう。



今回来たのは近場の釣り場。
休日で天気もよく、なかなかの盛況ぶりで人も多いです。

コンディションはといえば、20人くらいでマイクロスプーンでネチネチ釣ってはいるのですが、
誰も釣れないどころか、アタリすらないような激シブ状態。

本当に魚居るんですかこれ……。

※後で聞いた話によると、ここ数日の残暑のぶり返しによって放流した魚のほとんどが死んでたようです。

こうなってくると、アクセスの良さと猫がかわいいくらいしか取り柄ないんですけど……。
というか猫がかわいすぎるので、それだけでも有り余る程の爆アドな気もしますけど……。
こんな状態なので、みんな午前中には見切りをつけて、全員撤退したのでした。
私はといえば、夕飯を今回の魚ありきで考えていたため、引くに引けず……。

こんなときには秘密のルアーの出番ですよ。



結果はといえば、最後の1時間で7匹揚げての大勝利。
尺越えは1匹混ざったものの、アベレージは20センチ前後。

……残暑も厳しい首都近郊なら、こんなものでしょう。
大物は初冬頃に放流するって話でしたし。
今の時期に大物放流して、今回みたいに残暑ぶり返したら目も当てられないですしねー。
ただ、晩秋にはもっと近所のプールがマス釣り場として解放されるらしいので、
練習がてらに気軽に行くなら、そっちがメインになるかも。

ところで、ルアーは一体何を使ったのかって?

………ブドウ虫(小声)

※もちろんですけど、きちんと釣り場の管理者さんに許可を頂いてから使ってますよ!


さて、今週にはもう彼岸入り……ということで、
少しだけ気は早いかとも思いますが、今年の冬支度の準備を始めたのでした。



Juglans mandshurica var. sachalinensis
オニグルミの果実

日本からサハリンにかけて分布する野生のクルミの一種。
川沿いによく生えてます。

野生種ではありますが、クルミなのでもちろん食べることができます。
ただし、栽培種であるカシグルミに比べると実の大きさは半分以下で、
殻は非常に硬い上に分厚く、可食部も少ないです。
カシグルミの殻は熟達すれば素手で簡単に割ることができるのですが、
オニグルミの殻は割り方を知らないと、道具を使っても容易には割れません。
玄能を使えば割ることは可能ですが、中の可食部ごと粉砕してしまっては元も子もありません。
栽培品のクルミに比べて唯一優れている点と言えば、保存性の高さくらいですね。

……まあ、そんななので好き好んで食べる人はあまり居らず、
その辺に生えてるような雑木ですが、大抵の場合、食べられることなく放置されてます。
画像のような果皮の付いた状態のものをクルミと認識できる人が減っているのも一因かもですけど。

ちなみにこのクルミの木、銃床の素材に最適なんですよ。
戦時中には軍事物資として重用されたとか。
救荒食としての役割も担っていたクルミの木の大量伐採によって飢餓が加速したという説も。

……ちなみに現代では、より木目の美しい外国産のウォールナット材が用いられるため、
国産のクルミ材が銃床に用いられることは、ほとんどありません。



果皮を除去すると、見慣れたクルミの姿になります。

クルミの木は背が高いため、上の方の実は全然採れないのですが、
あと一月もすれば、自然と落果してきます。
……ただし、大抵は川にオーバーハングしているため、
自然に落果すると川に流されてしまい、回収不能になります。
川沿いによく自生している理由は、川の流れによって種子を散布しているためです。

自然落果した果実は黒く腐ったようになっていますが、可食部である種の部分には影響ないです。
むしろ果皮の除去がしやすくなるので好都合です。
……この果皮の除去がまた厄介で、素手で触ったりすると灰汁で手が真っ黒になるのですが、
この汚れ、皮膚の細胞自体を染色してしまうので、最低でも1ヵ月は落ちません。
まだ残暑も残るこの時期に、手袋無しでは人前に出られなくなりますよ。



いっぱい集めると、こんな感じになります。
これで冬の間も安心です!

割り方にはコツがあって、基本的に鉈を使って割るのですが、
正しい方法を知らないと、鉈の刃がボロボロにこぼれます。
オニグルミをくるみ割り人形に噛ませたところ、人形の方が壊れたというお話も。
割り方は、気が向いたら冬にでも。
……ここに書かなくても、調べたらいくらでも出てきますけどね。

朝晩は随分と涼しくなってきました。
昼間はまだ少し暑い感じはしますけれど、それでも過ごしやすくなったとは思います。
暑さも寒さも彼岸まで。
……そういえば、そろそろ彼岸花の咲く頃ですね。
一面地獄のように赤く咲き誇る景色を、また見に行きたいものです。



N. hamata Gunung Lumut clone4 / Wistuba

ウィスツバ産のハマタ。
葉は結構出してくれてるし、袋もコンスタントに着けてはくれるのですけれど、
なかなかLSが増さずに大きくなってくれません。
ちなみに後ろに写っているのがブルハマなのですが、
やっぱり交配種になると、一気に極端に強健になります。
何かしらの思い入れがなければ、原種ネペンテスは茨の道ですねー。
交配種でも、魅力的な品種はたくさんあるのですが、
牙系だけは原種でなければ発現しない形質なので、がんばるしかありません。
……ハマタは所謂牙系御三家と呼ばれる品種に比べたら育てやすいのですけれどね。

エド辺りは育てやすいといわれることもありますが、あくまでボルネオ高山系の中での話であって、
高地寄りのインターメディエイトが雑草のように育つ環境が最低限求められます。



袋。
ちょっと色づいた……と思ったけど、傷んできてるだけですね。
そんなに新しい袋でもないですしねー……。
まだ小さいので牙の発現は見えますけれど、まだまだこれからといった感じ。
次の袋は膨らんできているし、これから秋も深まって涼しくなってくるので、
今後冬までに、少しでも大きくなってくれたらいいですね。



頂芽。
やっぱりスマトラ高山系だけあって、頂芽の出も葉の展開も、遅くはないんですよ。
ただ、LSが全然大きくならないというだけで……。
成長は早い品種ではあるので、何かしらの環境が合っていないのでしょうね。
上手い栽培家の方は、葉一枚出すごとに倍々の大きさに育て上げてますから。

最近は忙しさにかまけて観察もおざなりになってる気がします。
これから涼しくはなってきますが、環境の変化も激しい時期なってくるので、
より一層の観察眼が求められるようになってくるのですが……。

もっとネペンテスたちと、真剣に向き合うべきなのかもしれません。

台風一過でした。
こちらでも強い風雨はありましたが、低気圧の中心が直撃するようなことはなく、
元々崩れるような山や崖も、氾濫するような川もない場所なので、周辺地域に被害は特に無かったです。
遮光ネットも無事ですし、これならこの地域特有の晩春の突風の方が余程怖い……と思ったのですが、
テレビが映らないと思ったら、屋根のアンテナが吹き飛んでいたのでした。



N. veitchii x burbidgeae / Exotica Plants

台風に備えるに当たって、全ての植物を屋内に取り込んだのですが、
その際に一際問題児だったのが、この子。
かなり大きく育ったので6号鉢に植えていたのですが、

とにかくメチャクチャ重くて動かすのも一苦労です。

さらに本個体はビーチの特徴が悪い意味でもよく出ていて、
一方向に匍匐しているので重心が狂っており、非常にバランスが悪いのも追い風です。



袋。
やっぱり屋外でワンシーズン育てて環境に慣らしてやると、
ストライプもバッチリ決まった、いい袋に仕上がってくれて……。

違う、そうじゃない。

本種は葉っぱが大きいのもさることながら、袋の蔓も非常に長く、
絡み付くようなタイプではありませんが、栽培棚の端に置いてるはずなのに、
なぜかスペースの一角を完全に占有してしまっているのでした……。

さらには両親のビーチ、バービッジアエの袋の特徴をよく受け継いでおり、
接地することを前提とした、バケツ型の丸く大きな袋を着けます。
つまり移動しようと地面から離すと、自重に耐え切れずにひっくり返るのですが、
本種御自慢の非常に高い捕虫能力でかき集められた蟲汁がぶちまけられる様は壮観の一言です♪
……もう嫌。
一袋でもやばいのに、500mlサイズの袋が贅沢に5個も着いてますし。
百歩譲って屋外ならまだいいのですが、屋内でこんなことした日には家族会議待ったなしですよ?

散々書きましたけど、本種が嫌いとかそういうことではなく、
むしろお気に入りで大きく育ってくれて嬉しい……というのが本音ですが、
このままの栽培を続けていたら、私の方が持たないと思うんです……。

そこで、前々から考えてはいたのですが、
これからは焼き物ではなく、プラ鉢の導入を本格的に視野に入れていこうかと思います。
本種は草体の重さも相当ではありますが、これ一鉢で8キロくらいあるんですよ……。
それを少しでも軽減できたらと思い……。

屋外栽培での天敵の一つに突風があり、それに対抗するために重い焼き鉢を使っていたのですが、
このサイズになれば、プラ鉢でも飛ばないでしょ……。
この大きさの物が飛ぶのって、それこそ台風クラスだと思いますし。
ただ、焼き物に比べると通気性は全く無いので、自前で穴を開けて使う予定です。
胴抜き鉢も自前で加工しましたけれど、プラスチックの方が加工性は全然いいですし。

……ただ、本種は鉢のサイズと材質を変えたところで解決する域を超えてると思うんです。
一度釣り鉢にしてみたりもしたのですが、架台が壊れそうだったのですぐに中止しました。
この子は鉢スタンドとハンギングバスケットを併用して、単体管理するべき案件かも。
前回登場したレディーラックと同じ方式ですね。

プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

毎週水曜日、日曜日の二回更新されます。
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