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梅雨明けも近付き、蝉時雨も喧しくなってきた今日この頃。
庭に転がる空蝉も目立つようになってきました。
最近の自分を顧みても、まさに抜け殻、空蝉。
古語からの訛りが転じたものとは言いますが、なかなかに皮肉の効いた言葉です。



N. lowii Trusmadi seedgrown / Carnivorous and more

今年は冷夏だった影響もあってか、高地性種が好調です。
この子は導入当初は葉がたくさんあったのですが、なんだかんだで4枚に落ち着きました。
後述するムル産の個体も葉数は4枚で落ち着いているので、うちの環境だとこうなるようです。
もっと環境を改善すれば、葉数も増えるのかもしれませんけれど。
最新の葉の袋はまだ完成してませんけれど、今ある葉は全部袋を着けているので、
調子自体はそう悪くないと思います。



袋。
全然大きくはありませんし、成長もものすごく遅いです。
小さくはありますが、プラスチックのように固い質感に襟のストライプ模様と、
ローウィの下位袋の特徴は出ています。
本当は10センチくらいの袋を着けてくれたら、もっと観察しやすいんですけど。



N. lowii mulu / Y's Exotics

こちらはムル産の個体の袋。
葉の形は全然違うのですが、袋は似た感じ。
強いて言うならムル産の方が赤みが強く、シュッとして引き締まった印象です。
ムル産の個体は上位袋も赤く色づくらしいのですが、癖が強くて栽培が大変とのこと。
うちでそんな袋が見られるのは、いつになることやら。
枯れてしまったら永久に見られない、という皮肉は置いておいて。
やっぱり葉数4枚だと光合成工場としての役割は不足しそうですし、
何より見ていて精神衛生上よくもないので、もう少し増やしてほしいところです。

ずっと雨続きで湿度も高いので、スマホカメラだとどうしても画面がガスってしまいます。
ただ、それも悪いことばかりでもなく、今年は多雨で涼しかった影響もあったのか、
去年の酷暑で全滅した、用土表面の苔が復活してきました。
これって深部は生きていたのか、それとも胞子が残っていたのか、
あるいは環境が改善したことで、新規にまた生えてきたのか。

また絨毯のように鉢いっぱいに広がるには、まだまだ時間が掛かりそうではありますが、
すごく綺麗でお気に入りだったので、元に戻ってくれたら嬉しいです。

でも、こうしてみると、綺麗な苔が自然に生えてくるような環境が高地性種には最適という仮説は、
結構信憑性があるんじゃないかなって思います。
去年の酷暑で全滅したときは、高地性種も散々でしたし。
完全に私の主観であって、仮説と呼ぶのも烏滸がましくはありますけれど。

今期はラジャが絶好調なので、そちらについても記事にしていきたいです。
先日登場したばかりな気もしますが、前期ブログでの話なのでノーカンです。

仕事も作業も自室の片付けも、全然進まねーです……。
愚痴の山ほどもあろうが人手も時間も何もかもが足りません。

正直ちょっとどうしたらいいかわからなくなりつつあります……。



なかなか良い形をしたデッドロック。
セミブランチタイプで一枚岩で根のような造形をしています。
実はこれ、半分以上がホワイトセメントで構成されたコンクリートの塊、要するに擬岩です。
画面向かって左側の、アクシズみたいな形した灰色の部分が元来の珊瑚岩の部分です。

水槽に入れるものをコンクリートで作って大丈夫なの?ってお話ですが、
コンクリートの主成分である水酸化カルシウムは非常に強いアルカリ性の物質で毒性が高いのですが、
二酸化炭素と反応することで無害な炭酸カルシウムに変化します。
炭酸カルシウムはサンゴの骨格の主成分……要するに本物の珊瑚岩と成分的には全く同じものになります。

……というか、市販のレプリカライブロックも同じようなセメントの塊です。
強いて言うならば多孔質化するための工夫と、本物っぽく形を仕上げる技術、
あとは添加剤を含まない安心素材のホワイトセメントを探す手間くらいでしょうか。

国内ではほとんど聞かない擬岩の自作ですが、海外では一般的だったりします。
では、何故国内では擬岩の自作のノウハウが一切出回らないのか。
そりゃあ自分で作れたら、あのやたら高いレプリカライブロックなんか誰も買わな……うわなにをするやめr

……まあ、実際には形が気に入れば買いますけどね!



XLサイズのサンゴ砂を接いで、小さいタイプのセミブランチ擬岩も作ってみました。
この形状の擬岩は今現在、どこのメーカーからも出ていませんし、
セミブランチのライブロックは通水性がよく止水域を作りにくい上に、
レイアウトもしやすいので非常に人気が高いのですが、形の良いものはあまり出回らないので、
こうやって好きに形成できる技術は貴重なんじゃないかなって思います。
……スカウトするなら今ですよ?

ちなみに今回はサンゴ砂を接ぐという目的のため、セメントは通常使用していますが、
本物のライブロックのように多孔質化させる場合は、練り上げた生地に半量程の粗塩を混ぜ、
完全硬化した後に水に晒して塩を溶かすことで簡単に再現することができます。
当然ですが、多孔質化すればするほど材質としては脆くなるので注意しましょう。

あとは水に漬けてあく抜きをしたら、二酸化炭素と反応させて炭酸カルシウム化させます。
巨大なテトラポットなんかは数年野晒しにして大気中の二酸化炭素と反応させるのですが、
この大きさなら、他にもっと効率のいい方法がいくらでもある訳で……。
今の時期ならアイスを買ったついでに貰えるドライアイスを、深めの容器に一緒に入れとけばすぐです。

※追記:ドライアイスは絶対に密閉しないでください、爆発します。

炭酸カルシウム化が終われば、使うことができます。
真っ白なホワイトセメントは最初は目立ちますが、しばらく経てば石灰藻が生えて自然と一体化します。
欲を言うならば、沖縄の海に数ヶ月ほど沈めた後で使いたいですけどね。

ここ数日、頭痛や倦怠感等々、完全に夏バテモードです。
気温としては30度そこそこ、去年の今頃に比べたら10度以上も低くはあるのですが、
今までずっと20度前半くらいの涼しさが続いていたところに急に暑くなったことに加えて、
湿度が100%あるので体感温度は実測値以上に高いことも原因だと思われます。

なのでクーラーをつけたところ、ポタポタと水が飛んできます。
以前クーラーが壊れたときにも水が出てたので嫌な予感がしつつも、
去年買ったばっかりなのに……と思いつつ点検してみたところ、
どうやら湿度が高すぎるせいでルーバーが結露していただけのようです。

今回は大丈夫でしたが、エアコンの排水機構自体がいかれて漏水している場合、
放置すると再起不能なレベルで完全に壊れるので気をつけましょう。



N. reinwardtiana BE-3671 / Borneo Exotics
BE産のレインワルドティアナ。
草体も袋も大きくなりました。
特長が無いのが特徴みたいな、丈夫なだけが取り柄みたいな原種です。
袋の内部に一対の目玉模様(蜜腺)があることだけが唯一の特徴ですが、
見えにくい場所にある上に、普通に観賞する分にはそんなところまず見ないので大丈夫(?)です。

5号鉢でも手狭になってきたので、そろそろ鉢増しかなー。
ただ、焼き物の大鉢って扱いが大変なので、試験的にプラ鉢に大量の穴を開けてみようかと思います。
アリストリコーサの鉢とか、動かす度に辛いんですよ……。



なんとも言いようのない、特徴のない袋。
色としては茶色と紫の中間くらい、シヴイ色です。
派手な発色や模様、襟のストライプ等も何もなく、
形もステレオタイプのネペンテス……といった感じです。

丈夫なだけが取り柄と言いましたが、色も形もよく似た交配種で、
さらに丈夫なレベッカ・ソパーがホムセンネペンとして一般にも流通してますし、
なんていうか本種は、高地性種とはまた違ったベクトルのマニア向け品種な気がします……。
交配種も含めれば星の数ほどあるネペンテスの中で、なんでそれ選んだの……的な。

うちでは2号ポットの極小苗から成長を見てきたので、
なんだかんだで愛着はあるんですけどねー。



頂芽ぁぁあ゛あ゛あアア゛ああ゛アアア゛アああアア゛ああアア゛ア゛アァァ!!!

汚い悲鳴を晒したところで、やられました……ハマキムシです。
巻いてる中に隠れてるので、さくっと捕殺します。
どうしてこんなになるまで放っておいたんだって感じですけど、
ここ最近ずっと雨続きで、野外管理してるので潅水の必要がなかったので……てへぺろ!

こんなことがある度に言ってる気がしますけど、
余計な手は掛けずとも、常に目だけは掛けてやってないと、こういう不具合を見逃しますし、
雨が降ってて潅水の必要はなくとも、毎日の観察だけは必須ですよ!

………
……


海水水槽を始めるに当たって、そろそろ機材の準備も進めていきたいところなのですが、
プロテインスキマーにフルスペクトラムLED、水槽用クーラーに磁界共鳴方式ポンプ等々、
超高額機材が多くて一気に揃えるのは難しいです……。

なのでレイアウト用のデッドロックの準備から進めています。
本来なら立ち上げてからライブロックを導入するべきなのかもしれませんが、
形にしたいイメージがあるので、デッドロックである程度の形を作ってから、
少量のライブロックを種として導入する予定でいます。

……問題としては、デッドロックってそもそも売ってないんですよ。
近隣の実店舗販売型の海水魚専門店が軒並み倒産してしまったこともあるのですが、
実はちゃんとしたお店ほど、デッドロックは売り物として置いていないのです。

これには明確な理由があるのですけれど、この辺を明確に書いてしまうと、
アクア業界のヒットマンに狙われることになるので……。
キュアリング水槽を備えたような店舗なら、デッドロックもそこに一緒に沈めておくだけで、
深場系ライブロックとしてデッドロック(珊瑚岩)の数倍~数十倍のグラム単価で売れる訳で……。

……おや、こんな時間に誰か来たようです。
今年の梅雨はいつになく猛威を振るってますね……。
毎年梅雨とは名ばかりの空梅雨でしたが、今期はちょっと降りすぎです。
東京では20日間連続日照ゼロという記録が出てるみたいです。
一昨年の晩夏から秋にかけての、三ヶ月降り続いた雨を思い出しますね……。

7月に入ってから、まだ一度も30度超えてないという記録的な冷夏になりそうで、
既に農作物にも甚大な被害が出始めています。
梅雨が明けたらそれはそれで、また暑くなりそうな気もしますけれど……。



N. truncata "Stripe peristme"
兵庫フラワーセンターにある世界一のトランカータと比べてしまうと、
半分にも満たない大きさではあるのですが、それでも普通の人から見れば怪物みたいなサイズです。
最近見るトランカータは襟が赤一色に染まる個体が多いですが、これは見事な縞模様ですねー。

一歩引いて株全体を写してみると、一鉢一鉢の間隔がとても広く、
伸び伸びと育てられるような環境が整えられています。

うちみたいに鉢を詰めて置くと、葉や蔓が絡まったり、
鉢間の風通しが悪くなったりと、いいことありません。
でも、こんな風にスペースを贅沢に使える環境は羨ましいですね……。



N. maxima
マキシマ系譜の原種。
ミクスタ、ミランダ辺りの交配種はラベルが無いと全く区別がつきません。
さらには近縁種も非常に多いグループなので、素人目にはわけわかめです。

ネペンテスという植物が発見された当初は最大種とされていましたが、
ラジャやトランカータ、アッテンボロギ等々、今では完全に名前負けしてしまっています。

近くにはミランダの鉢もありましたが、本当にそっくりです。
ミランダはうちでも育てているので馴染み深いですね。



N. fusca
上記のマキシマの近縁種。
さらに、うちの栽培記録でちょいちょい登場するボゲリーとは、
近年まで同一種とされていたくらいに近しい仲間です。
確かに袋の模様や形といった雰囲気は、とてもよく似ています。

マキシマ近縁種には、プラティカイラやクロッシーといった変わり種も居たりするので、
本当に面白くて興味深い個体群です。



N. rafflesiana
普段見慣れたラフレシアナとは大きく異なる形態をしています。
蔓をとても長く伸ばし、上位袋を着けています。
上位袋と下位袋で大きく異なる形状の袋を着ける種類は多いですが、
本種もなかなか原型が無いですね……。
ラベルがなかったら、たぶん分からなかったと思います。

………
……


次回からはまた通常運転で、うちの子について書いていけたらと思います。
ただ、ネペンテス関連以外でも結構いろいろなことがあったりしたので、何から書いていこうかと……。

海水水槽の準備が全然進まなかったり、ヒモゲドがぷち拒食もどきをしてみたり、
コロ虹の餌がついにラットに格上げしたり、奇蟲も順調に大きくなっていたり……。

ブログ移転に伴ってカテゴリも細分化したので、気ままにのんびり更新していってみましょう。

初めての方は、はじめまして!
そうでない方も、はじめまして!

今回は新規スタートというよりは場所を移しただけですので、
挨拶もそこそこにして、前回話してた遠征について書いていきます。

前々から時々言っていたのですけれど、一度石垣島辺りに行ってきたかったのですよね。
念願叶って少しだけ時間も作れたし、週末だけの予定で行ってきました。
飛行機を予約しといてくれた森野にも、感謝感激です。

………
……


2時間ばかりのフライトを終えて空港に降り立つと、妙に風が冷たいです。
実は沖縄は四方を海に囲まれているため、気温は東京都心部よりも低かったりするんですよ。

……でも、これはちょっと異常な気がするのです。
涼しいというよりは、少し肌寒いような。
手元の気温を見ると14度しかありません。
周囲を飛び交うF-15戦闘機も物々しく、尾翼にはクマのエンブレム……。


ここ千歳空港じゃないですか、やだーーー!!!

よりにもよって北海道、南の島とは真逆の土地です。
森野!謀ったな!!森野ァ!!!



来てしまったところをどうこう言っても始まらないので、北海道旅行を満喫しましょう。
南北の違いはあっても、ここも沖縄と人気を二分する観光地。
ビーチコーミングや昆虫採集はできませんが、見るべきところはいっぱいあります。

まずは定番中の定番、北大植物園の大温室から。

……園芸好きには定番なんですよ。



Nepenthes ventricosa "在来系"

いきなりすごい子が居ます。
うちでは挿し穂が活着せずに失ってしまったベントリコーサの在来系。
販売用の小さな挿し木苗なんかはごく稀に見かけますが、
こんな大鉢に根を張った大株なんて、見るのは初めてです。

その名の通り、昔はお花屋さんでも売ってるような定番種だったそうですが、
生産農家が廃業したことに加えて、当時は珍しくもなかった為に維持もされなかった為、
絶種寸前の状態となり、今では古い温室でごく少数の生き残りだけが細々と存続しています。

今ではアラタも交配種のベントラータに次々取って代わられていますし、
ひょっとしたら、近々同じような状況になるかもしれません。
希少価値云々は抜きにして、ホムセンネペンだって大切に育ててあげなくちゃいけませんね。



N. Mastersiana "Purple" x thorelii "Facile Koto"

栽培が非常に簡単で大型化することで有名なファシール・コト。
後ろにある大鉢が小さく見えるくらいに巨大な袋を着けています。

ちなみに袋だけ撮ってますが、裏では蔓化した主茎が暴れまわっています。
一般家庭だと切り戻して維持することになるので、
温室を建てない限り、この怪物めいたサイズは拝めそうにありません。

DIYで自力で建ててもいいかなって思ったのですけれど、
天窓の自動開閉機構やら水周りに電気系統等々、
自力では解決できないことだらけなので難しそうです。



N. thorelii "Ikeda" x ventricosa "Attractive Fuso"

こちらも見事な大株のアトラクティブ・フソー。
この子もベントリ系交配種の例に漏れず、とんでもなく丈夫な強健種とのこと。
個人的な感想は、クリペアタxベントリコーサにも少し似てるでしょうか。

ファシールコトに比べると、大株でも主茎はそこまで暴れないので、
一般的な家庭でも育てやすい種類なのかなって思います。

それはそうと、この鉢の置き方はよさそうですねー。
屋外栽培だと風に弱そうにも見えますが、環境のコントロールされた温室内では、
水抜けも風通しもよく袋も引きずらず、吊り鉢ほど鉢に負担も掛からなさそうで。

やっぱりプロの栽培環境は、こういうところの工夫がすごいですね。



N. Barmy koto x khasiana "Noboriryu"

コトシリーズを片親に用いた交配種、通称『昇り竜』。
フスカやボゲリー等の原種が多い細長系の袋を着ける品種ですが、
交配種、しかもコトシリーズを使っているだけあって、極めて丈夫な種類です。

この温室、古き良き時代の交配種が多いですねー。
それだけ大事に古い品種を維持してるってことでしょうか。
我々個人の栽培家も、この姿勢は見習わないといけませんね。

………
……


今回は画像がやたらと綺麗ですが、デジタル一眼で撮ってるからです。
借り物で無理しちゃって、まぁ……。

でも、こんなにも綺麗に撮れるなら、ちょっと欲しくはなりますよね。
値段聞いたら一気に現実に引き戻されましたけれど。

今回は交配種の紹介でしたが、温室にはまだ原種とかありましたので、
そちらの紹介は次回に続きます!


プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

毎週水曜日、日曜日の二回更新されます。
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