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仕事も作業も自室の片付けも、全然進まねーです……。
愚痴の山ほどもあろうが人手も時間も何もかもが足りません。

正直ちょっとどうしたらいいかわからなくなりつつあります……。



なかなか良い形をしたデッドロック。
セミブランチタイプで一枚岩で根のような造形をしています。
実はこれ、半分以上がホワイトセメントで構成されたコンクリートの塊、要するに擬岩です。
画面向かって左側の、アクシズみたいな形した灰色の部分が元来の珊瑚岩の部分です。

水槽に入れるものをコンクリートで作って大丈夫なの?ってお話ですが、
コンクリートの主成分である水酸化カルシウムは非常に強いアルカリ性の物質で毒性が高いのですが、
二酸化炭素と反応することで無害な炭酸カルシウムに変化します。
炭酸カルシウムはサンゴの骨格の主成分……要するに本物の珊瑚岩と成分的には全く同じものになります。

……というか、市販のレプリカライブロックも同じようなセメントの塊です。
強いて言うならば多孔質化するための工夫と、本物っぽく形を仕上げる技術、
あとは添加剤を含まない安心素材のホワイトセメントを探す手間くらいでしょうか。

国内ではほとんど聞かない擬岩の自作ですが、海外では一般的だったりします。
では、何故国内では擬岩の自作のノウハウが一切出回らないのか。
そりゃあ自分で作れたら、あのやたら高いレプリカライブロックなんか誰も買わな……うわなにをするやめr

……まあ、実際には形が気に入れば買いますけどね!



XLサイズのサンゴ砂を接いで、小さいタイプのセミブランチ擬岩も作ってみました。
この形状の擬岩は今現在、どこのメーカーからも出ていませんし、
セミブランチのライブロックは通水性がよく止水域を作りにくい上に、
レイアウトもしやすいので非常に人気が高いのですが、形の良いものはあまり出回らないので、
こうやって好きに形成できる技術は貴重なんじゃないかなって思います。
……スカウトするなら今ですよ?

ちなみに今回はサンゴ砂を接ぐという目的のため、セメントは通常使用していますが、
本物のライブロックのように多孔質化させる場合は、練り上げた生地に半量程の粗塩を混ぜ、
完全硬化した後に水に晒して塩を溶かすことで簡単に再現することができます。
当然ですが、多孔質化すればするほど材質としては脆くなるので注意しましょう。

あとは水に漬けてあく抜きをしたら、二酸化炭素と反応させて炭酸カルシウム化させます。
巨大なテトラポットなんかは数年野晒しにして大気中の二酸化炭素と反応させるのですが、
この大きさなら、他にもっと効率のいい方法がいくらでもある訳で……。
今の時期ならアイスを買ったついでに貰えるドライアイスを、深めの容器に一緒に入れとけばすぐです。

※追記:ドライアイスは絶対に密閉しないでください、爆発します。

炭酸カルシウム化が終われば、使うことができます。
真っ白なホワイトセメントは最初は目立ちますが、しばらく経てば石灰藻が生えて自然と一体化します。
欲を言うならば、沖縄の海に数ヶ月ほど沈めた後で使いたいですけどね。

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プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

毎週水曜日、日曜日の二回更新されます。
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